住田海事奨励賞を受賞

 今年4月18日付ブログに掲載した『日本の海のレジェンドたち』(海文堂出版)が、第53 回「住田海事賞三賞」の住田海事奨励賞を受賞しました。

住田三賞というのは、一般社団法人日本海運集会所が管理運営するもので、海事文化の発展に寄与した住田正一氏を記念して創設されたものです。

 住田正一氏は松山市の出身で、大正7年東京帝国大学を卒業後、鈴木商店に入社し叩き上げ番頭のカリスマ・金子直吉の秘書を務めた。その折、山下汽船社長の山下亀三郎と接点があり、住田は亀三郎を取材して後日のエッセイ集に多く取り上げている。(2020.2.3付ブログ参照)

 12月1日、日本海運集会所発表のサイトには、下記のようにアップされている。

 今回も日本海運集会所の住田海事奨励賞管理委員会で各賞の候補作について検討を重ねた結果、「住田海事奨励賞」に『日本の海のレジェンドたち』(山縣記念財団80 周年記念出版編集委員会 編)、「住田海事史奨励賞」に『日本近代造船の礎 ヘダ号の建造』(伊藤稔著)が選ばれた。

◆住田海事奨励賞

  山縣記念財団80 周年記念出版編集委員会

  『日本の海のレジェンドたち』

  体裁:A5判/ 288 頁  定価:2,750円(税込)  発行:海文堂出版株式会社

 本書は、日本の江戸時代から昭和に至る海運・造船・海上保険など海事産業に大きな足跡を残した23 人余の物語性豊かな評伝集である。海事に深い知見を持つ研究者や対象とする人物に詳しい著者など21 人によって執筆され、山縣記念財団の80 周年を記念して編まれた。

 登場人物は、歴史好きなら誰でも知っている勝海舟坂本龍馬などから、江戸時代に稀有な体験をした有名無名の漂流者、現代の海事産業界の人がよく知る偉大な先達まで多彩に取り上げられている。

 一編は平均12 ページ前後と海事に詳しくない読者も容易に読み切れる構成となっており、それぞれのエピソードは“ いいとこどり” ではなく実際に生きた人間のリアルな姿を描いている。日本の海のレジェンドたちをほぼ網羅しつつ、誰にでも読みやすい本にして社会に発信する、という海事広報的な企画の素晴らしさが評価された。

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 ブロガーは、今までのブログ記事を編集して『吉田三傑2021(完)』を12月1日付で発行しました。田舎の愛郷家や同級生などに進呈する予定です。

その中に山下亀三郎評伝を載せています。『日本の海のレジェンドたち』には亀三郎は、海事産業中興の祖として内田信也勝田銀次郎などの大正船成金と共に日本海運の発展に寄与したと位置づけられています。

(山縣財団、海文堂にはブログ本への転載の許可を頂いている)

 今回の受賞は、我がブログ本出版に花を添えていただきました。当ブログを見ていただいている方々には、『日本の海のレジェンドたち』を購入いただければ幸いです。

 

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山下亀三郎評伝(ブロガー撮影)