2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

アイクと呼ばれた男 10 大同海運発足

山下汽船は昭和恐慌の中でリストラの嵐だった。多くの社員が山下を去ったが、喜佐雄は生き残った。しかし上司田中正之輔とがいな男の経営方針は大分ズレがあった。結局喜佐雄は先進的な田中に付いて行った。喜佐雄は8月に辞表を出して大同海運発足までの4…

アイクと呼ばれた男 9 「大山下に謀反」

浜田喜佐雄は法花津湾のほとり白浦の生まれ。山下亀三郎は山あいの喜佐方の出身。浜田の父親・定吉は喜佐方の生まれで、次男坊に喜佐雄と名付けた。定吉は亀三郎のもとに息子を奉公に出した。16歳の店童は北九州で修業をして神戸に戻ってきた。25歳になった…

アイクと呼ばれた男 8   「引合い」

昔、神戸は船会社のメッカでした。欧州大戦の船成金が幅を利かせていた時代に、浜田青年は、門司、若松で石炭運送に奮闘努力する毎日でした。大手商社の鈴木商店が倒産するなど昭和恐慌の中で、待望の神戸本社に戻りました。先輩の八幡屋は宇和島向新町の生…