2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

がいな男 (44)  『沈みつ浮きつ』刊行

昭和18年、がいな男は『沈みつ浮きつ』という口授本を発行した。〝天〟と〝地〟の二冊を箱に収めている。本書に使用した紙は、鐘ヶ淵紡績で漉かれた「絹の紙」で特殊なものだった。地の巻に(文豪蘇峰先生と俗人山下)と題し記されている。 がいな男は徳富蘇…

がいな男 (43) 船舶運営会

昭和5年、「がいな男」に背いて山下汽船を出て行った浜田喜佐雄は、大同海運の近海課長として営業の第一線で活躍した。喜佐雄は、華中、華北との物資輸送の強化を主な目的とする「東亜輪送組合」の幹事で奔走していたが、昭和15年1月より逓信大臣の命で事務…

がいな男 (41)太平洋戦争 (42)宴会名人

がいな男は昭和16年、会社の幹部社員らにこう話をしている。(世界は混沌としてきたが我々はどう考えたらよいか。いろいろ息詰まることもあろうが、取り越し苦労をしてはいけない。海運、石炭、造船、築港など国家の基礎工事たらんとして仕事に励んでいる。…

がいな男 (40)汪兆銘を救う

がいな男は自伝に「客をよぶ時の心得」を語っている。 客をよぶことをむつかしく言う人があるが、むしろよばれる方がむつかしい。人を招くという事はよばれることに比べたらもっと気楽なもので、面白いものだ。 どうしたら来てもらう人に喜んでもらえるか、…