2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

がいな男 (6)秋山真之大尉 

がいな男所藏の書簡には秋山真之からの親切なものが多いという。 (昭和8年、秋山真之会から出版された「秋山真之」より引用) 舌 代 此度貴兄も管理局評議員に任命せられ国家的職員の一人となりたるに就而は是れ實に従来の個人的山下に進化する初段なれば其…

がいな男 (5)石炭商興す

亀三郎が黒いダイヤといわれた石炭に目を付けたのはラッキーだった。 また今西林三郎(大阪商工会議所会頭・衆議院議員)という同郷(北宇和郡鬼北町国遠)の実業家に知己を得たのは幸運だった。 今西もがいな男同様に、明治13年青雲の志を抱いて大阪へ出た…

石原氏の電文

きのう、宇和島信金の季刊誌『つなぐ 春号』が届いた。 2月1日に石原慎太郎氏が89歳で亡くなり、吉田山下家からブロガーに「つなぐ」 へ載せる慎太郎氏のことについて寄稿を頼まれた。 自書『トランパー』に石原家のことを書いたのでブロガーにお鉢が回って…

がいな男 (4)夜逃げ

亀三郎自伝「沈みつ浮きつ」には、(私が明治24年横浜に流れて行って云々)とあるが、長い放浪の末、横浜に舞い戻ったのは正解だった。 横浜港から出航するロンドン行きの土佐丸の雄姿を見て、船主になる夢を抱いた。 また先端産業「石炭」を扱う竹内兄弟商…

がいな男 (3)放浪時代

放浪することを英語で「Tramp」という。海運業界のトランパーというのは、不定期船のことで、より良い荷物を求めて世界の海を放浪する。 定期船はライナーといって決まった航路を決まったスケジュールで運航する。 陸上交通でいえば、ライナーはバスでトラン…

がいな男 (2)放蕩息子

がいな男(山下亀三郎物語)を内航新聞に寄稿するタイミングに、「内航海運暫定措置事」という規制制度が終わった。ブロガー入社は昭和42年、そのころ「船腹調整規程」が始まった。スクラップ&ビルドという条件が課せられ船の建造に足かせが付いた。それか…

がいな男 (1)生い立ち

単行本『トランパー』(愛媛新聞サービスセンター発行)および ブログ本『吉田三傑』3冊(自主出版)に続いて、『がいな男』を執筆しました。 これは昨年、某新聞社の○○賞に応募しましたが、がいな事にはなりませんでした。 然しながら、海運業界紙の「内航…