天を仰いで (坂村眞民先生箴言詩集)

入院中に坂村眞民記念館の西澤館長より本が届いた。

箴言(しんげん)とは戒めの言葉と書いている。

致知出版社から発行されたばかりの詩集だった。

40歳から90歳までの詩87編が収録されている。

ブロガーの母校吉田高校で教鞭を執っていた頃58歳の詩。

裸木

冬のさなかに生まれた者が

少しの寒さにふるえていて

どうするぞ

裸木を見よ

一切を脱落させて

リンリンと

寒風におのれをさらし

毅然として

大地につっ立っているではないか

弱音や愚痴が出そうになったら

裸木の前に立て

そしてそのいのちに触れろ

朝日夕日に光る

巨幹万枝の姿を見つめろ

 西澤館長に自書を贈ると、先生の詩が数編送られてきた。

同年代で宇和島市の出身、16歳で眞民先生と出会い詩に感銘を受ける。先生の三女と結婚し、先生の晩年を共に過ごし最期を看取った。

館長、ブロガーは古稀になったが先生71歳の詩を掲載す。

冬の風

冬の風は神威のように吹く

まさに天馬の駆けていくような勢いだ

冬生まれのしんみんよ冬の風の中を行け

 

眞民先生は熊本から母子を連れて 豊後水道を渡り南予に来た。三瓶、吉田、宇和島で教鞭を執り、砥部で亡くなった。

享年97歳。

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