土居清良の故郷「三間町」を訪ねる(2)

旧庄屋 毛利家

 

 池本先生宅を後にして三間町是能の「旧庄屋 毛利家」に向かう。パンフレットには15歳で庄屋になった初代甚蔵が七個谷と呼ばれている谷に12年間の歳月をかけて屋敷を造ったとある。

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母屋は宝暦3年(1753)に建てられた。4代源蔵は長屋の煉瓦に毛利紋「一文字三つ星」を配し(我は毛利氏なり)を誇示したようである。

 毛利家は小高い丘にあり、満開のコスモス、曼殊沙華を見ながら屋敷に上がった。「旧庄屋毛利家を守る会」の安岡賢司会長が我々を迎えてくれた。会長の説明を聞き古き茅葺の母屋に入った。最近、茅葺屋根の葺き替えを20年ぶりにボランティアの人達と行ったそうで、修復に大変な仕事をされている。

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 屋敷には池本先生改修のオルガン(明治37年製)がある。池本先生は3年前まで小学生の歌声に合せオルガンで伴奏をされていた。静かな屋敷に子供の歌とオルガンが響き、故郷の感傷に浸る最高のひと時を過ごすそうです。

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 吊るし柿の写真を見ていると母屋に吊るした干し柿が何とも言えない情緒を感じる。昔は何処にでもあった光景だろう。

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 毛利家は8代元彦氏の頃、家屋敷を三間町に寄贈し有形文化財に指定されている。元彦氏は医者で池本先生とは昵懇の間柄、共にクラシック音楽ファンで池本先生と音楽談議に花を咲かせたという。

この屋敷は、尺八、横笛の演奏会などのイベントがあり、結婚式もやるようである。

昔は、吉田藩に年貢を納める為、この庄屋に集合し十本松峠を越えて吉田表に向かった。最近は「十本松峠の整備と復活の会」が立ち上がり歴史を勉強しウオーキングなどの活動をしている。

 納屋ではボランティアの人が昔の農具などを整理していたが、大変な作業である。帰りがけに長屋門近くの植え込みを手入れしている家の方にいろいろ話を伺い、彼岸花に見送られ毛利家を後にした。

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