アイクと呼ばれた男 10 大同海運発足

山下汽船は昭和恐慌の中でリストラの嵐だった。多くの社員が山下を去ったが、喜佐雄は生き残った。しかし上司田中正之輔とがいな男の経営方針は大分ズレがあった。結局喜佐雄は先進的な田中に付いて行った。喜佐雄は8月に辞表を出して大同海運発足までの4ヶ月間は、ブローカーの様に利ザヤを稼いだ。同じ神戸の中で仕事でも夜の飲み屋でも、山下と大同は互いに対抗心を燃やした。

 

内航海運新聞 2023/5/29