「トランパーの雄」出版まであと130日(清水の舞台)

船の売買にはブローカーが必須、どこでだれがどんな船をいくらで売り買い、という情報で買い方売り方の仲介をするのである。今のお金で数億円単位の買い物であるが、素人の亀三郎は英国のブローカーが3千トンの船を5万円でオッファーしているという情報を得る。
そもそも亀さんはなんで船を持ちたいと思ったのか?前掲の横浜港で土佐丸の雄姿を見て発奮、オーナーになりたいという壮大な夢をもった。それとこの様なことがあった……明治32年600トンの石炭を門司から大量買付し受け荷主として横浜港でデリバリーしようとしたら、回漕店が(運賃を払ってくれ!荷物はその後に引き渡す)というと亀さんは(何でだ、運賃は石炭を売ってから払う〜)…亀さんは船の常識を知らなかった。荷主は積み切り後、速やかに船会社に運賃を払うことになっている。揚げ地で荷揚げするときにはすでに運賃は入金されていないといけない。荷揚げした後では未入金の時、荷物は霧散し押さえようがない。すったもんだの末、知り合いの回漕店主が立て替えて払ってくれた。亀さんは(荷物を渡す前に運賃を先取り、これはいい商売だ、石炭やるより船屋になろう!)と思ったという。
さて、亀三郎は船を買いたいが、先立つものは金だ、黒ダイヤの儲けで1万円の元手があったが後4万円足りない。[なんと亀さん、清水の舞台から飛び降りた!!]

さあ亀さんどうするどうする、ちょうど時間となりました、ちょと一息また講演〜
一句
横浜の出船入船春霞