伊予吉田の文化遺産 (吉田風物畫帖/小林朝治著) 第35回  住吉神社

「吉田藩昔話」には
濱通りの住吉神社は長享の頃元町の漁夫が漁業の守護として、攝州住吉の分靈を勸請し鎭座して居ったのを開藩後今の處に遷座せられたもので、每年六月十六日の夜祭には御代參として御船奉行は麻裃着用、御船手から御用船に乘込み御紋章入りの高張提灯を立て御船歌にて押出し參拜する寧となつて居った、神社の下手の川に面して御番所があつた、當時御船手方面へは妄りに船を着ける事が出來なんだから御番所の前から西に面して埠頭を築いて領内の沿岸部其他から來る船は總て此處につけ取調べを受ける事になつて居った…
と記されている
 子供の頃の行動半径は狭いもので、ブロガーはもっぱら横堀界隈で遊んでおり、浜通り住吉神社の方まで行くことは余りなかった。
この絵は長栄橋を渡った向こう岸から描いたものであろう、港町で潮の香りを嗅ぎながら朝治はゆったりした気分でスケッチしたのではなかろうか…