なにを観ているの? 映画「大番」ロケ地

本書「トランパー」23頁にブロガーの生地・吉田町のことを書いている。
昭和32年月獅子文六原作の「大番」ロケが歴史の街、吉田町内で行われた。昔からの白壁が残る酒蔵を背景に俳優の加東大介が歩くところを撮影した。
この写真は最近大先輩が送ってきたもので、『宇和島・北宇和・南宇和の今昔』(郷土出版社・2010年より)にアップされた写真である。
庇のうえには30人もの人が乗っている。本町は見物人で埋め尽くされたがブロガーはこの中にはいない。記憶にあるのは魚棚2丁目辺りで撮影しているシーンが微かに頭にある。
しかし家業のうどん屋加東大介が畳のある奥の所で美味そうにうどんを食べている姿は、今でもまぶたに浮かぶ。近所のハイカラな人が愛用のカメラを持って撮影しようと構えたら、スタッフがすぐに「撮らないで!」と制止したので俳優というのは普通の人ではないんだと、実感したものである。
静かな田舎町での派手な出来事で古き良き時代の一コマではないだろうか。

一句
ふゆ日なた吉田の街の人の息