「トランパーの雄」出版まであと139日(母・敬の愛)

亀三郎から思わぬお金が届いた敬は、それはそれは大変驚いた。亀が私に金を送るようになったかと5円札を広げながら「これは、飴を買うどころの話じゃない」といって袷を3反織らした。
「この木綿縞を自分の死後、棺を担いでくれた者に一枚ずつやりたい」と、箪笥の底に入れていた。そうだ…
亀三郎は母が亡くなった時、棺桶を担いだものには別に相当のことをして、この袷は大事に保管していた。この袷は現在愛媛県生涯学習センターに展示されている。亀さん24歳の(親不孝の懺悔)である。
さて、生活が安定して亀さんは25歳にして嫁を迎えた。名前は同じカメで(凄艶な女がいた)と亀さんは引く手あまたの所を、思い込んだらやり遂げるという流儀をつらぬいた。
しかし平平凡凡で話が進むとつまらない。自伝「沈みつ浮きつ」のごとくストーリーは展開していく。池田の店が潰れるのである、ここで亀さんまた放浪するわけにはいかない。(ようし、自分の店を持とう!)と男、亀三郎は立ち上がったが……
ちょうど時間となりました、ちょと一息また講演〜
一句
母の愛亀さんあわせ寒椿