「トランパーの雄」出版まであと128日(秋山真之登場)

亀さんは総理の側近にあって情報の最前線にいる古谷久綱に日露の戦雲急なるを聞いた。亀三郎が船を買ったのは、日露戦争の前年明治36年、他の船主は御用船として使用されている。ここは亀さんも自分の喜佐方丸を御用船に登用できないか久綱に相談した。
ここからはフィクションであるが、(久綱さん、御用船の話は誰に頼むのかね、口を訊いてくれんかな!)(わかった、松山出身の秋山真之海軍大尉を紹介するがな)といってある日、古谷は赤坂の料亭に二人を呼んだ。これが運命の出会いである。その晩二人は大酒をのみ意気投合、兄弟の誓いを立てた。(亀三郎、ロシアとの戦争は近いぞな)と真之が囁いた。これを亀さん聞き逃さない、そこへ、久綱の一言(亀さん、徳富蘇峰先生に頼んで御用船の話を海軍省にお願いしたらどうか!)
亀さんは、戦争になると軍艦や商船用の石炭が大量に要ると閃いた。(そうだ、ここは一番大勝負、石炭の大量買付けだあ〜)と資金を借りまくって大博打に出た。
時は、東郷平八郎率いる連合艦隊が編成され、ニッポンはロシアとの戦争へ傾く頃だった。巷では山手線が開通しビアガーデンが登場、神戸に日本初のゴルフクラブが開業、アメリカでは大リーグ第1回ワールド・シリーズが開幕している、また第1回大学野球早慶戦が開催されたのもこの年である。
さて喜佐方丸の運命やいかに…ちょうど時間となりました、ちょと一息また講演〜
一句
秋月や亀と真之酒の友