「トランパーの雄」 出版まであと158日(伊予吉田)

ブログ主は古い呼び名の伊予吉田出身である。吉田町は隣町宇和島市と合併した。(駅名の〝次は伊予吉田〜″いい響きである)
吉田町はミカンと漁業の町で他に大きな産業がない。
昔は3万石の城下町で実家があった本町筋は大いに栄えた。しかし全国どこも同じで昭和40年代後半ごろから世の中世知辛くなり、少子化とともに町は寂れていく。
しかし、この街には、明治のころ海運界の偉人がいた。
こんな小さな町から世界の海運王、トランパーの雄と呼ばれた快男児が出たのだ。
愛媛県は平地が少なく、四国山地が海際に迫っている。地政学的に海運が発達していた。特に南予地方はリアス式海岸で津々浦々に船が行き交い海運は重要な交通手段だった。
男児山下亀三郎」は海に関係ない喜佐方という山の中で育った。山々に囲まれた盆地の村で、実家は150戸を納める庄屋だった。
日本は廻りを海に囲まれていて、経済は貿易で成り立っている。島国ニッポンでは海運業は永遠に不滅だ。
亀三郎が海運業に参入するのは、日露の雄〝秋山真之″と兄弟の契りを交わす36歳のころであった。
まさに時代は日露戦争前夜だった。
一句
ゆらゆらと夏の吉田の舟あそび